こんにちわ!理学療法士の古庄です。三度目の投稿となります。
初回は「フレイル」について、二回目は「運動の目安」について述べさせて頂きました。
今回は「運動プログラム」について述べたいと思います。
まず、フレイルの原因の一つとして運動不足が挙げられます。言い換えれば運動を行う事でフレイルを予防する事ができます。
運動には様々なものがあり、個々にあった運動を選択することが大切になります。まずは運動による効果を下記に示します。
①ウォーキング、プール:心臓や肺の機能が強くなります
②筋力トレーニング、バランス訓練:筋肉が太くなり筋力が強くなります
③ ストレッチング:関節の動きが良くなります
④ウォーキング:骨が丈夫になります
⑤運動全般:血流が良くなります。食欲がわき、腸の働きが良くなります。気分が良くなります。
上記にある様に、運動は身体機能を向上させる効果のみでなく、高齢者の方に対しても負荷や頻度に注意して行えば安全かつ有効に基礎代謝を上げ、筋肉を強くする事ができます。
また、物忘れに関しても運動を行うことで、良い効果が得られるとの報告もあります。
以上の事を踏まえたうえで、それぞれの目的に合わせた運動メニューを紹介します。
【体幹・足の筋力強化】
まずは片足立ちですが、机や固定された台の上に手を置き、足が床につかないぐらいの高さにあげます。この際になるべく自身で秒を数えて60秒を目指してください。
片足立ちが難しい場合には、同様の条件で「片方の足先に反対足のかかとをつけ姿勢を維持」します。継足姿勢では、片足立ちと同じ筋肉への刺激と重心バランスの強化が望めます。
次にスクワットですが、こちらも台や机等に手を添えて行なっても結構です。
方法としては、椅子に腰かけるようにゆっくり足を曲げていきますが、この際、「自分のひざが足先をこえない(ひざが90°以上曲げない)範囲」で行います。併せて自身でゆっくりと息を吐きながら行う事で体幹強化にもつながりますので有用です。可能な方は10秒声を出して数えながらひざを曲げ、10秒かけて元の姿勢に戻りましょう。
【握力・腕の強化】
腕の強化にはペットボトルが簡易的に使いやすいです。最初は500mlのボトルに水を1/3から初めて、きつくなければ水の量を増やし、まだいける!という方は650ml、1ℓとボトルの大きさを変えていきましょう。(^_^)/
脱線しましたが、まずはボトルをもち、肘は伸ばしたままで①30°ぐらい真横、②30°ぐらい真後ろに動かします。この際、動かして3秒止め、力を抜いて元の位置に戻します。
次に、両手でボトルをもち、頭の後ろから頭上にかけて持ち上げます。動作が難しい場合は、両手でボトルをもち、前から頭上にかけ肘を伸ばしたまま持ち上げます。
両者とも椅子に座って行なっても大丈夫ですので、慣れたら水の量を増やし、立った姿勢で行なってみて下さい。
次に手の指の運動ですが、まず、「 ぐー ちょき ぱー 」をやってみて下さい。
動かしにくい指はありましたか?
指の動きは、複雑で小さな筋肉の集まりでできています。その為、運動を行う場合に指のこわりがある場合には必ず、指先を広げて伸ばす事から始めましょう。
運動ですが、一つ目は「 ぐー ちょき ぱー 」を全力で行う事です。【ぐー】ではしっかり曲げ、3秒ほど力を抜かない。【ちょき】では人差し指と中指は伸ばし、三本は力を抜かない。【ぱー】では五本の指を3秒ほどしっかりそらして、ゆっくり力を抜いていきます。一連の動作だけでも普段使えていない箇所が刺激されますので違和感として感じられると思われます。
二つ目は輪ゴム等を使って、伸ばす筋肉と、指と指を広げる筋肉を鍛えます。この際は、ゴムがずれない程度に伸ばしてできる範囲で行いますので回数は20回程続けて行います。
フレイルの評価としては前回も述べたように、「握力の低下」「バランス能力の低下」があげられます。特にバランス能力には下肢体幹の筋力と自身の体を正しく動かせているかが大切になります。私自身も含めて主婦の方から仕事をされている方、隠居されている方等関係なく、子ども時代の運動習慣は継続できていない現状と感じます。
改めて、自分で動けるうちに、また動く為にも普段から少しづつ運動習慣を身近なものにしていく事が一番の対策だと思われます。まずは簡単な運動から始め、少しづつ体が慣れてきたらウォーキングやプール、趣味活動への参加などを行なってみてはいかがでしょうか?
次回は食事を食べるための口腔機能の強化についてプログラム例を紹介したいと思います。
最期までご観覧いただきましてありがとうございます(^_^)/